テンマクデザインのウッドストーブサイドヴューLを買って、使い方や必要な物を調べておりました。
そんな中で、「煙突の継手には焼き付き防止耐熱潤滑剤は必ず必要!」とか「塗っていたから簡単に外れた!」「薪ストーブには必需品!」的な記事やレビューが多数見受けられましたが、本当に必要でしょうか…?
私自身、このことについては非常に疑問を抱いておりました。
煙突に巻く風習があるサーモバンテージについてはこちら。 勿論私は巻いていませんが…。笑
煙突に焼き付き防止耐熱潤滑剤って必要?
結論から申し上げますと、
煙突の継手に焼き付き防止潤滑剤は不要・塗らなくてよいです。
以下を参考にしてください。
焼き付き防止耐熱潤滑剤とは
金属接合部分を焼き付き、カジリ、腐食から守るグリース。
用途としては、プラグやマフラー固定ボルトなどを保護し、焼き付きを防止するもの。
簡単に言いますと耐熱グリスでございます。質感は粘度が高く歯磨き粉みたいなドロッとした感じです。
ちなみに自然発火はしませんが可燃性ですので火が移れば燃えます。
煙突に”焼き付き防止耐熱潤滑剤”塗っていいの?
そもそもの、焼き付き防止耐熱潤滑剤を使用する用途・目的が違います。
焼き付き防止耐熱潤滑剤って、高温下になり錆で腐食しやすいマフラー(エキゾースト)のボルトとナットのかじり防止用に使うもので、煙突の継手には塗る物ではありません。
一番の疑問(問題点)
可燃性の粘度が高い物を塗ってもよいのか?
運悪く火の粉がグリスに付着して燃える可能性もあると思います。
また、ドロッとした粘度の高い物を塗ってしまったら、余計に煤が付きやすくなります。(ただでさえ煤取るの大変なのに、わざわざ煤が余計に付くように促進するって…。笑)
「薄く塗れば大丈夫。」と言う意見もございますが、煙突の継いでる隙間にも結構煤が溜まるんですよねー。
煤は燃えやすい性質がありますので、焼き付き防止耐熱潤滑剤を塗ることで着火・発火しやすい環境を作り出すことは間違いないでしょう。
テンマクデザインさんも「焼き付き防止耐熱潤滑剤は火災の原因になるから使用しないでね」との注意喚起あり
煙突への「焼きつき防止耐熱潤滑剤」使用に関して
煙突を抜きやすくするのを目的として「焼きつき防止耐熱潤滑剤」を使用されている事例がございますが、使用を重ねるとタールがたまり逆に煙突の掃除がしにくくなるばかりか、発火する可能性もあります。非常に危険ですので御使用はおやめください。抜きにくい場合は完全に冷えたのを確認しスプレー式の防錆潤滑油を吹き付けて外し良くふき取る事を推奨いたします。
引用:テンマクデザイン(tent-Mark DESIGNS)
「防錆潤滑剤を吹いて外した後は良くふき取ってね。」と言うのは、少なからず防錆潤滑剤も可燃性だからだと思います。
【経験談】焼き付き防止耐熱潤滑剤を塗らなくても簡単に外れる
煙突が完全に冷えてから、スプレー式の防錆潤滑剤を隙間から吹き込み浸透させて、煙突の継手を折るようにしたら簡単に外れました。
そして、この時に防錆潤滑剤を使用しなくても、外れた煙突は何本かありました。
(使用した防錆潤滑剤はワコーズのラスペネミニとクレ556を使用しました。防錆潤滑剤でしたら大丈夫です。)
まとめ
・煙突の継手に焼き付き防止耐熱潤滑剤は塗らなくてよい。
・煙突が完全に冷えてからスプレー式の防錆潤滑剤を吹き付ければ簡単に外れる。
・塗ることで火災のリスクが高まる。
・そもそも使用する用途・目的が違う。
・焼き付き防止耐熱潤滑剤の使用はメーカーも禁止している。
ステンレスの煙突が外れないのはただ材質が膨張しただけで、摩耗・溶解している訳ではないので焼き付きとは言いません。(焼き付きと書いてる方が多いです。)
わざわざ高価な焼き付き防止耐熱潤滑剤を事前に塗ったとしても、煙突自体焼き付きは起こらないから無意味。
撤収の際に価格が安い防錆潤滑剤を吹くのと効果は同じ。
煙突に、使用する用途・目的が違う焼き付き防止耐熱潤滑剤を塗る意味ある?と思います。
ネットの情報もあまり鵜呑みしてはいけないと、僕自身考えさせられました。